シェア先生の授業リポート

2010/03/03
大分県 豊後高田市立真玉中学校Ⅱの巻

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熊野磨崖仏(岩壁に刻まれる「不動明王」「大日如来」)

ここは九州の東、豊後水道と周防灘に囲まれた『宇佐・国東半島』。ガイド本はこの地を「万物に感謝する日本の原風景が今も残る森羅万象の国」と紹介する。ここには全国4万を数える八幡社の総本宮『宇佐神宮』や日本古来の山岳仏教で栄えた『六郷満山文化』が薫る仏の里がある。『富貴寺』『両子寺』『真木大堂』『熊野磨崖仏』『天念寺・川中不動』などの文化財のほか、名もない野仏や奇岩奇峰も数多く、まさに千年ロマンの路と自然美に心を奪われよう。

2月も下旬、ぼ~とTVをみていた。ある小さな町の夕方の風景が映される。
「や、や!どこかでみたような。そうだ、夕陽の美しい豊後高田だ!」場面は移り校門がアップされる。『豊後高田市立真玉中学校』とある。なんと、来週、出前授業でうかがう学校なのだ。前回(2008年10月29日授業)と同じ校舎が、「懐かしい。でも、なんで?」

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授業に集中する生徒たち、地元ケーブルTVが取材

番組は『ガイアの夜明け』、「不況下における教育ビジネス」という切り口で、受験ビジネスの勝ち組である某地方予備校の首都圏進出の様子と電子黒板等を駆使したハイテク授業が紹介される。続いて、家計を削ってでも受験に頑張る親子の姿が流れる。「教育にはお金がかかる」、不況が学力低下と教育格差をもたらしているという。
そんな中「地方からの教育創造!都会との教育格差をなくす」「田舎でも学力が伸びる。無料で学力アップ、現代の寺小屋!」のスローガン。続いて市の教育委員会と市民が一体となった活動の一つ『学びの21世紀塾』が登場する。放課後や土曜日に市の施設を利用してOB校長・教職員、商店街や主婦らが小中学生などに学校授業に沿った基礎的な内容を教える。また、読み書き、計算・英会話、パソコンなども教える。更に、遠距離通学の受験生には地元ケーブルTVを媒体に現役教師が国語、数学、英語の入試過去問題を解説するといった具合だ。この地域ぐるみの活動の効果は学力調査結果に見事に表れた(県内23市町村中、活動開始した平成15年は22位、昨年は首位へ躍進)。

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地域ぐるみで子供を支えるお手本『学びの21世紀塾』

突然、この塾を見たくなった。尋ね尋ねてようやく看板を見つけた。『学びの21世紀塾、寺小屋昭和館』とある。「TVで見たあの場所だ!」嬉しかった。予約無しの非礼をわびつつ見学許可を得る。今日の担当は退職校長会会長の吉用(よしもち)さん、活動内容について資料を基に懇切丁寧に説明してくださった。おかげで『地域ぐるみの子供支援のお手本』に接することができた。
さて、授業。今回は2時限目に新たな工夫を試みる。ふるさとでの起業をテーマに「生徒が考えた地域の魅力や活性化のためのアイディアを事前調べして、当日発表する」ことにしたのである。ふるさとの魅力に「美しい自然や温泉・史跡など観光資源がたくさんある」「農・水産物に特産品がある」などが挙がり、活性化策では「特産品をインターネットでPR」「移住民を増やす工夫が必要」など鋭い意見も出された。生徒のふるさとの未来によせる熱い想いが語られた。
特に『地元の年長者の優しさ、温かさ、親切さ』に尊敬と誇りを感じる生徒が多く、地域の愛情が子供たちの心に充分浸透していたことに感動した。

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児童の学び 『学びの21世紀塾・寺小屋昭和館』

松崎校長には発表会に参加・コメントいただいたほか中川先生とともに当日の運営に多大なるご支援をいただきました。ここに心から感謝申し上げます。
また、大分合同新聞社、地元ケーブルTVには取材・報道いただきありがとうございました。

PS:実は後日談がある。この年の秋、東証にて県立国東高等学校の生徒にレクをした。
偶然そこに中川先生の弟さん(引率教諭)と真玉中学で授業した生徒10人(2008年)が含まれていたのである。この再開に人の縁の不思議さを感じるとともに妙にうれしくなった。

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<大分県豊後高田市立真玉中学校ⅡのHPはこちら

 

 

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